主に実際のフットボールの話になりますが、過去から現在において、システムや戦術に関わらず最低2人が必ず同時に起用されるポジション(というか役割)が1つだけあります。

それはセンターバック(CB)。
他のポジションは1人だけが担うという場合もあるのに対して、CBが1人だけの起用というのは余程の事情がない限りはありません。

詳しい話は専門の方面に譲るとして…
守備は基本的に攻撃側と同数だと不利なので、数的優位性を保つことが前提となります。
フィールドプレイヤー中、最も守備の重要性の高いゴール前を守るCBは、(殆どの場合1人はいる)相手のCFに対して1人で守るというのはリスク管理上問題があると考えます。
(攻撃の局面ではその限りではありませんが)

で、チームで2人(以上)同時起用が約束されているこのポジションでは、そのコンビネーションや阿吽の呼吸、守備戦術の相互理解がチーム守備において重要な要素となるはずです。

優れた1人の守備職人だけでは不十分で、そのパートナーというのが重要になってくるはず。
優れた守備職人が相方を鍛え、その相方が成長して次の相方を鍛え上げる…。
若手からすれば隣で(経験が重要な)守備の手本となる選手の影響はかなり大きいはず。

クラブや代表チームが長期に渡って強固な守備を保持するためには、この守備のサイクルが重要になってくるというか、これがうまく回っているチームはあまり守備面で大崩れしないのではないかと思います。
そういう守備の長期的計画性を維持できる組織面も含めて。

で、WCCFでそういう師弟的なCBコンビっぽいのを探してみました。

センシーニ&Fカンナバーロorテュラム(パルマ)
フェラーラ&Fカンナバーロ(ナポリ&ユベントス)
バルザーリ&ボヌッチ&ルガーニ(ユベントス)
Fカンナバーロ&キエッリーニ(ユベントス)
Fカンナバーロ&セルヒオ・ラモスorペペ&バラン(Rマドリー)
Rカルバーリョ&セルヒオ・ラモスorペペ(Rマドリー)
アウダイール&サムエル(ローマ)
パサレラ&ベルゴミ(インテル)
サムエル&ラノッキア(インテル)
バレージ&マルディーニ(ミラン)
マルディーニ&ネスタ(ミラン)
ネスタ&チアゴ・シウバ(ミラン)
チアゴ・シウバ&ダビド・ルイス&マルキーニョス(PSG)
デサイー&テリー(チェルシー)
テリー&ケイヒル(チェルシー)
ヒーピア&キャラガー(リバプール)
キャラガー&アッガー(リバプール)
プジョル&ピケ(バルセロナ)
アジャラ&マルチェナ&アルビオル(バレンシア)
マタイセン&コンパニ(HSV)
ウイファルシ&ゴディン(Aマドリー)
ゴディン&ヒメネス(Aマドリー)
ファン・ブイテン&Jボアテング(バイエルン)
ヘベデス&マティプ(シャルケ)
ジャギエルカ&ストーンズ(エバートン)

等。
あえて年齢的に少し差があるものを選んでみました。

もちろん若手が期待通りに育つとは限らないし、パートナー関係がうまくいくとも限りません。
ただプジョルもセルヒオ・ラモスも、デビュー当初はSBでしたが守備は目を覆いたくなるほどヘタクソでした。
WCCFを長くやっている方ならご存知でしょうが、ゴディンやボヌッチもかつてはディフェンスの最高評価がつくほどの選手ではありませんでした。

他のポジション(役割)は1人だけでも(或いはいなくても)成り立ったり、補強や放出など(代表チームなら監督交代での召集有無)の入れ替わりが比較的頻繁に起こり得る中で、CBを幅広い年代で揃えられるチームの安定感は目立たないけど重要だと思います。
逆にCBコンビが毎シーズン入れ替わるようなチームはなにか重要なポイントがうまく回ってないはず。
また、同年代コンビは悪いわけではないけれど、将来性を考えれば不安はよぎります。
もちろん各選手でタイプや向き不向きなプレーもあるでしょうが、守備の押さえるポイントというのは戦術や適性でそう大きくは変わらない所も少なくないはず。
“経験による守備の引き出し”が増えるとすれば決してマイナスにはならないはず。

この記事を作りながら考えたこと。
・第一線で長くやれているベテランCBの影響力は伊達じゃない
・選手の移籍が比較的少ないCBにおいて、実績十分なCBの補強は戦力以上の意味がある
・有望な若手CBは、良い見本のいるチームに修行に出すのも良い
・ただ若手CBは安易に手放したり、トレードの弾に使うのは勿体ない
・SBからCBへコンバートした選手ほど、よりベテランCBの影響を受けやすい?

今後期待したいCB、WCCFでカード化されてる選手ではマルキーニョス、ナスタシッチ、ストーンズ、リーデバルト、ルカ・エルナンデス、ヒメネス、ルガーニ。
期待通りに育つかはわからないけれど。


今回は以上です。